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ドクターに聞く性病の知識

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性病(性感染症・STD)について

性病とは、性行為で感染する病気のことです。以前は梅毒・淋病・軟性げかん・リンパ肉芽腫の4つを意味していましたが、最近では、クラミジアやヘルペスを含めた約20種類の病気を性感染症やSTDと呼んでいます(性行為で相手に伝播する病気は80種類程あるとも言われています)。

女性の性病は、男性にはない体の構造的特長から腹腔まで感染が広がる可能性があること、母子感染(赤ちゃんへの感染を予防するために帝王切開術が必要になる場合がある)といった問題にも配慮しなければなりません。また感染を繰り返さないためには、パートナーも同時に治療を受けることコンドームの使用が大切です。   

ここでは、最近問題になっている女性の性病をいくつか解説します。

クラミジア

現在最も患者の多い性感染症です。クラミジア・トラコマチスという病原体の感染によって子宮頚管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎、尿道炎や咽頭炎などを引き起こします。

しかし感染の初期には無症状であるために感染に気づかずに放置されているようです。クラミジア単独の子宮頚管炎では水っぽい白色のおりものや、不正出血を認めます。他の細菌との混合感染では、膿性のおりものとなることもあります。さらに卵管炎や骨盤腹膜炎に進展すると下腹部痛や性交痛を感じるようになります。そして不妊症や流産の原因になることもあります。

診断はおりもののクラミジアDNA検査(PCR法)や血液検査(過去に感染したことがない場合)によって行われます。

治療としては有効性の確認されている抗生剤を1〜2週間服用していただきます(最近では1日の服用でよい新薬もあります)。 コンドームを使用しない人やパートナーが変わった人で、おりものが多いと気になる方は早めに検査を受けましょう。

淋病

淋菌の感染によって子宮頚管炎を起こし、典型的なケースでは膿性のおりものが出てきます。クラミジアの感染よりおりものが多く炎症も強いといわれていますが、自覚症状の全くない人もいます。そしてクラミジアと同じように子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎、尿道炎や咽頭炎などを引き起こします。

診断はおりものの細菌培養やDNA検査(PCR法)によって行われます。またクラミジアとの混合感染も少なくないので2つの検査を同時に行うこともあります。治療にはセファム系の抗生剤を数日間用いますが、耐性菌(抗生剤が効きにくい細菌)が出現しているために完治するまでに時間がかかることもあります。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルスの性的接触により発生する外陰部、膣、肛門周囲の「いぼ」です。典型例では先のとがったカリフラワーのようないぼが1個もしくは多数できます。

診断は視診だけで済む場合もありますが、確定診断には組織検査が行われます。治療には、外科的切除、電気焼灼、レーザー治療などがあります。当院では、有効性や再発率の面から保険適応のある外科的切除と電気焼灼の併用を主に行っています。

また近い将来の欧米ですでに認可されている「イミキモドクリーム」が使用できるようになる見通しです。治療後の再発については、どの方法を選択しても10%前後に認められることなので経過観察は大切です。

尖圭コンジローマの原因であるヒトパピローマウイルスは子宮頚がんとの関連もわかって来ていますのでがん検診も受けてください。


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画像、文章等の無断転載を禁ず。2004/7/13