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ドクターに聞く避妊の知識

避妊の方法には、低用量ピル・避妊リング(IUD)・コンドーム・不妊手術など色々な種類があります。当院では母体保護法指定医の立場から、皆様のライフスタイルに合った方法をアドバイスしています。

低用量ピル(経口避妊薬)

低用量ピルは、女性が1日に1回1錠を適切に内服するだけで、簡単に確実性の高い避妊ができるお薬です。その適正使用時の避妊失敗率は約0.1〜0.3%とされています。また薬の副作用を心配される方が多いのですが、世界中の多くの女性が服用して有効性と安全性が確認されています。軽微な吐き気・頭痛・少量の性器出血などのマイナートラブルは時々ありますが、はじめの1〜2ヶ月間で自然に消失することがほとんどです。血栓症などの重篤な副作用は、タバコを吸わない健康な女性ではほとんど発症しません。しかし、ごく一部の方は服用できないケースもありますので、当院では問診票への記入と内服中の注意事項に関する指導を受けていただいたうえで処方しております。安全に服用していただくために、およそ1年毎に定期検診をぜひ受けてください。

当院では、アンジュ・トリキュラー・シンフェーズ28・ファボワール28(マーベロンの後発品)を扱っています。これらの中から、その人の希望や生活習慣にあったものを処方させていただいております。1か月分の料金については、初回は初診料等を含めて4,700円程度で、2回目以降は2,500円程です。

当院でご利用いただける低用量ピル

避妊リング(IUD・子宮内避妊器具)

正常出産の経験がある人で、長期間の避妊を望む場合に適しています。しかし、生理痛がある場合や生理の量の多い人、性感染症の心配の強い人などには向いていません。銅付加IUD(マルチロード・ノバT380)は、避妊効果も高く(避妊失敗率:約0.6%)、装着時や除去時の痛みも少ないため希望者が増えています。装着や除去(交換)の時期は、生理の出血が止まった直後が適しています。装着してからは、自然脱落(1%未満)、膣炎や骨盤内の炎症に注意しながら定期検診を時々受けていただく必要がありますが、長期に渡って安定した避妊効果が得られます。装着から交換までの期間は、2年のタイプと5年のタイプがあります。装着したまま何年も放置しておくと簡単に除去できなくなったり、炎症を起こしたり、不正出血の原因となることがありますから、交換の時期が来た場合や避妊の必要がなくなったら除去の処置を受けてください。当院での銅付加IUDの料金は31,500円から42,000円(税込)です。

コンドーム(男性用)

日本では従来から使用されている一般的な方法であり、性感染症の予防にも有効な避妊方法です。しかし使用時に破損や脱落が起きることがしばしばあり、女性にとって十分安心できる避妊法とはいえません。一般的な使用時の避妊失敗率を見ると14〜15%と高率であり、6〜7回のセックスで1回の妊娠となってもおかしくありません。確実に避妊したい場合は低用量ピルを服用し、さらにエイズやクラミジアなどの性感染症の予防のためにコンドームを使用するといいでしょう。

その他の避妊法

上記以外の方法としては、基礎体温法、殺精子剤、ペッサリーなどがありますが、いずれも失敗率が高く確実な避妊法とはいえません。卵管結紮術(女性不妊手術)は避妊の確実性は高く、帝王切開術の際に行ったり腹腔鏡で行ったりされる方法です。しかし、一度受けてしまうと妊娠するチャンスを回復することが困難になります。

緊急避妊(性交後避妊・アフターピル・ヤッペ方法)について

避妊しないでセックスした場合やコンドームが破れてしまった時に、性交後72時間以内であれば、約90%の確率で避妊することができます。現在推奨される方法は、平成23年に認可された緊急避妊専用薬である「ノルレボ錠0.75mg」を服用する方法です。具体的には、性交後72時間以内のなるべく早期に産婦人科を受診していただき、ノルレボ錠を2錠1回服用するだけです。従来の方法より避妊効果が高いだけでなく、副作用が少ないことがその特徴です。服用した後は、生理が来るまで経過観察となります。不正性器出血や下腹部痛の症状がある場合や、2〜3週間以内にいつもと同じ生理が来なければ必ずご相談ください。緊急避妊薬の服用で排卵が遅れることもあるため、妊娠していないことが確認できるまではセックスを控えてください。生理が来たらすぐに低用量ピルを開始するとよいでしょう。

従来の緊急避妊法である「ヤッペ法」は、性交後72時間以内のなるべく早期に産婦人科を受診し、プラノバール錠をまず2錠服用、その12時間後にさらにもう2錠服用するというものです。この方法の注意点としては、30%くらいの人が強い吐き気や嘔吐を訴えること、血栓症などの心配がある場合は服用しないほうがよいことです。服用した後は、前述のノルレボ錠の時と同じで注意して経過をみてください。

緊急避妊の費用は、ノルレボ錠で14,700円(診察費および税込)、ヤッペ法では4,200円(診察費および税込)です。

 

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